「歴史の用語や人名を覚えたけれど、何が何だか分からなくなってきた」
「記述問題で何を書けばいいかわからない」
こうした困りごとを抱えている人は多いのではないでしょうか。
歴史は覚える事項が多いために、「覚える」という作業に気を取られがちです。覚えることはもちろん欠かせないのですが、最近の入試では「流れ」をどれだけ把握しているかが問われています。
そこで、歴史の流れを時代別に解説します。流れを把握するメリット・把握の仕方も合わせてお伝えしますので、歴史が得意な人も苦手な人も、入試や定期テストに向けてぜひご活用ください。
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ただ教科書を棒読みしただけでは歴史の流れは頭になかなか入ってきてくれません。
流れを把握するために押さえておくべきポイントを3つお伝えします。
教科書も参考書も非常にわかりやすく解説してくれていますが、そのなかでも下記の5つを意識して読むようにしましょう。
歴史が苦手な子ほど、「誰」と「何」の2つしか把握できていません。
「いつ(年号・年代)」がわかれば、出来事を時系列でとらえやすくなります。
「なぜ」「その後」がわかれば因果関係がわかります。
※関連記事:【高校入試社会】歴史によく出る年号・年代の語呂合わせ
入試で問われるのもこの2点がメインです。2つとも押さえるようにしましょう。
歴史はいくつもの「時代」にわかれています。それぞれの時代の順番を覚えると同時に、各時代の中心人物(勢力)を把握するようにしましょう。
例えば古代は公家中心で、近代は武家中心で時代が進みます。時代の中心を意識しておけば、その周辺事項との関係性も把握しやすくなり、流れの把握や用語の暗記がしやすくなります。
時代の中心を押さえるために、人や勢力だけでなく「下剋上」「第一次世界大戦」などの「キーワード」も押さえるようにしましょう。
時代ごとにキーワードは異なっており、把握しておけば「その時代は何があったのか」を認識しやすくなります。
このように、中心人物・キーワードと周辺人物・キーワードを把握しておくと、記憶が階層的になり、頭に残りやすくなります。
弥生時代は紀元前4世紀~紀元3世紀ごろまでを指します。
中心人物(勢力)
卑弥呼(邪馬台国)
キーワード
稲作伝来、村ごとの争い
流れ
稲作が朝鮮半島から伝わり、新しい技術を持つ人たちや村が大きな経済力や軍事力を持つようになる。
大きな村がほかの村を襲ったり、技術を伝えて自分たちの仲間にしたりして、国をつくるようになる。
数十人程度の小規模な生活集団から、数百名規模の大きな集団へと発展していく。
集団の規模が大きくなると、集団の統制が課題となる。
支配体制を強めるために中国の王朝に使いを送ってハクをつけるようになる。
中でも大きな勢力だったのが邪馬台国で、その女王・卑弥呼が鬼道(呪術)で国を治めており、魏の使節も訪れている。卑弥呼の死後に男王がたつも邪馬台国は乱れ、壱与(いよ)が女王になって国が収まったとある。
この頃の日本の様子が『魏志倭人伝』に伝わっている。
古墳時代は、3世紀~6世紀末までを指します。
中心人物(勢力)
大王/天皇(大和朝廷)、豪族
キーワード
仏教伝来、蘇我氏
流れ
当時日本最大の勢力が大和朝廷で、そのトップが大王(おおきみ)/天皇。天皇の名称が使われ出すのは天智天皇か天武天皇からと言われているが、この頃からトップは「〇〇天皇」の名称で覚える。
天皇は渡来人の技術を持つ有力豪族の勢力とゆるやかな上下関係を築き、協力して大和朝廷を治めている。
数十年以上前から有力豪族である物部氏と、渡来人の技術を背景にのし上がってきた蘇我氏との間で権力争いが起こる。
当時、有力豪族や天皇のお墓は在世当時の権力の大きさに比例した大きさのお墓(古墳)がつくられていた。平面積では世界最大の仁徳天皇陵(大阪府)がつくられる。
飛鳥時代は592年~710年までを指します。
中心人物(勢力)
蘇我氏+聖徳太子、天智天皇+中臣鎌足(藤原鎌足)
キーワード
白村江の戦、大化の改新
流れ
蘇我氏と物部氏という有力豪族どうしの争いに蘇我氏が勝ち、天皇と協力して大和朝廷の中心的役割を担う。仏教の保護・普及も蘇我氏が行う。
蘇我氏の後見を受けて、推古天皇や聖徳太子(厩戸皇子・うまやとのみこ)が十七条憲法や冠位十二階の制をつくり、他豪族の力を押さえて「天皇+蘇我氏」による政治が数十年行われる。
天皇と蘇我氏による支配体制が安定していたが、外圧の危機が高まる。
朝鮮半島で百済が新羅にほろぼされ、次は日本に攻め入ってくるかもしれないと防衛体制を強める。九州に水城を築造するなど、防備を固める。祖・庸・調・雑徭以外に九州防備を行う防人も税として開始される。
こうした危機感のなかで国内の支配体制にも変化が起こる。
蘇我蝦夷・入鹿が大化の改新でほろぼされ、蘇我氏主導の政治が破られる。天智天皇と中臣鎌足(藤原鎌足)との政治体制になる。以降、天皇と藤原氏の協力体制に移行していく。
奈良時代は710年~794年までを指します。
中心人物(勢力)
天武天皇、持統天皇、聖武天皇
キーワード
遣隋使・遣唐使
流れ
壬申の乱で朝廷側勢力に勝利した天武天皇は、天皇と新たな役人の体制(八色の姓)を整え、民への支配体制を充実させていく。
後を継いだ持統天皇と藤原氏との協力体制により、皇位継承が安定する。以降、天皇と藤原氏による支配体制がつづく。
国内の支配体制が安定したことで、中国王朝からの技術や制度の輸入にも力を入れられるようになる(遣隋使・遣唐使の派遣)。隋→唐へと受け継がれた律令制度を日本でも取り入れ、大宝律令→養老律令の制定により律令政治を定着させていく。
白村江の戦い以後、唐や新羅が日本に攻め寄せる危機感を持っていたが、攻めてくる気配がないことで心配が減り、国力が充実していく。
朝廷の支配体制が強まったことで、日本独自の貨幣政策(富本銭・和同開珎の発行)も行えるようになった。
遣隋使などから大陸の最新文化や文物がもたらされ、国際色豊かな「天平文化」が栄える。仏教の力で国内を治めようとした聖武天皇のころに天平文化が最も栄えた。シルクロード経由で北アジアやインドからもたらされた文物の一部は正倉院に収められた。
平安時代は794年~1185年までを指します。
中心人物(勢力)
藤原氏と天皇・上皇
キーワード
荘園、摂関政治、武家
流れ
桓武天皇が平安京に都を移して新たな政治体制を築く。坂上田村麻呂を征夷大将軍に任命して東北の蝦夷を討伐し、東北から九州までを支配するようになる。
一方、たびかさなる蝦夷討伐と都の造営で民は疲弊する。
桓武天皇の没後、天皇と上皇の争い(薬子の変)などで都の政治は動揺する。藤原氏は娘を天皇の「きさき」にして生まれた子を次の天皇位につける摂関政治によって天皇家との結びつきを強くし、朝廷内で強権的な地位を築くことに成功する。
道長・頼道父子のときに摂関政治の全盛期を迎える。
それにより、藤原氏内部や藤原氏以外の貴族との間で、対抗勢力を滅亡させるなどの権力争いが激しくなる。
地方では地元の勢力(豪族など)が力を高めるようになり、地方の荘園を藤原氏に寄進して納税を免れる動きが常態化する。
さらに荘園からの収入は、荘園の管理者が荘園の所有者に納めるシステムだったため、荘園を管理する地方豪族が力を強めていく。荘園からの収入を所有者にきちんと渡さない管理者も多く出るようになる。
一般に、荘園の管理者は武力を持っている者が務めていたため、武力を持つ者がさらに力を蓄える結果になった。
北関東では平将門の乱が起こり、同時期に瀬戸内地方で藤原純友の乱も起こる。この戦乱を鎮めた武家貴族が力を強める。また、前九年の役と後三年の役で東北では奥州藤原氏大きな勢力になり、平泉に拠点を築く。
地方の戦乱に並行して藤原氏が摂関政治に失敗し、代わって上皇が院政をはじめる。
藤原氏と上皇、上皇と天皇の間での争いの過程で武家の力が積極的に利用されるようになり、京都でも戦乱がたびたび起こる(保元の乱・平治の乱)。
戦乱の勝者となった平氏が強力な支配をしくも、反発した武家勢力(源氏など)にほろぼされ(1185年 壇ノ浦の戦い)、源頼朝が武家のトップ(棟梁)になる。全国に守護と地頭を設置して実権を握り、朝廷から征夷大将軍にも任命される。
天皇と貴族による支配から武家による支配へと変わっていく。
鎌倉時代は1185年~1336年までを指します。建武の新政までが鎌倉時代です。
※関連記事:鎌倉時代の年表とくわしい解説
中心人物(勢力)
執権
キーワード
御恩と奉公、元寇、建武の新政
流れ
源頼朝が征夷大将軍となって鎌倉幕府を開く。
源氏が将軍として幕府のトップに立つが、一方で北条氏が執権となって御家人をたばねたため幕府の事実上の統治者になる。
両者の争いは3代目将軍・源実朝の暗殺により北条氏の勝利に終わる。
北条氏はその後、御成敗式目を制定したり評定衆を設置するなどして幕府の統治体制を固める。
1274、1281年には元帝国の軍勢が日本に攻撃をしかけてくるすが、御家人の活躍が自然災害もあり2度とも退ける(文永の役、弘安の役)。
しかし、この戦役で御家人は借金に苦しむことになり、借金を棒引きにするという永仁の徳政令を幕府が出すほど苦しむ結果になる。
1333年、鎌倉幕府体制に反発する武士をまとめた後醍醐天皇は鎌倉幕府をほろぼし、公家が中心となって政治を行う建武の新政をはじめる。
また、鎌倉幕府も御家人も支配者であって統治者ではないため、民衆の生活レベル向上にあまり貢献はしなかった。そのため、民衆が自力で生活レベルをあげようとする意識や行動に変わっていき、それに応えようとする形で新しい仏教の宗派がいくつも誕生した(浄土宗、浄土真宗、時宗、日蓮宗)。
室町時代は1336年~1573年までを指します。一般的に、室町幕府成立から足利義昭の京都追放までです。
中心人物(勢力)
将軍、有力守護大名
キーワード
下剋上
流れ
朝廷は権威だけを持ち、武士が政治を行う時代がつづく。
室町幕府は鎌倉幕府にくらべて軍事力も経済力も非常に弱く、有力守護大名が幕府の言うことを聞かないことがしばしばあった。
3代目将軍・足利義満は幕府の力を強めるため有力守護大名に反乱を起こさせて討伐したり、南北朝を合一して支配体制を一本化する。
国内の支配体制が整ってきたことで、経済力をたかめるために明との貿易を行うようになった(勘合貿易/日明貿易)。
しかし足利義満の死後、室町幕府は再び力が弱くなり、応仁の乱を長引かせてしまう。
地方の武士や農村が力をたくわえ、山城国一揆や正長の土一揆に代表されるように、地方勢力が幕府が任命した守護大名を追いだす出来事も発生するようになる。
この頃はまだ1つの国に村や寺社、武士など複数の勢力が存在し、仲良くしたり敵対したりしている。
同時にヨーロッパでは大航海時代を迎える。数か月以上かけて新大陸を発見し、キリスト教の布教と貿易を行って大きな商売をはじめるようになる。
日本にもキリスト教と鉄砲が伝来し、日本国内の統治体制や戦争の仕方が大規模になっていく。
多くの中学生にとって鎌倉時代と室町時代の違いが分かりにくく、頭のなかでごちゃ混ぜになってしまっているケースがよくあります。
そこで、鎌倉時代と室町時代の違いを簡単に説明します。
鎌倉時代には鎌倉幕府、室町時代には室町幕府がありました。それぞれの幕府には将軍がいましたが、将軍の下で政治の中心を担う役職がありました。
大まかに分類すると、政治の中心は下記のように違っています。
鎌倉時代には鎌倉幕府の力が強く、鎌倉幕府の中心御家人であった北条氏が執権として鎌倉幕府を切り盛りしていました。
地方は「守護・地頭」という鎌倉幕府が任命した人物が政治をおこなっていました。
室町時代にも室町幕府がありましたが、あまり力は強くありませんでした(将軍・足利義満の時代は室町幕府の力がとても強かったです)。
中央があまり強くないので中央が任命した「守護」もあまり力が強くなく、実力で各地方の中心的な軍事勢力になる人たち(=大名)の力が強くなっていきました。
室町幕府にも一定の権威(あの人は偉い人だから、言うことは聞いておくほうがいいよねと皆から思われる立場の人たち)があり、地方勢力も幕府の権威を利用して地方を自分のモノにしようとしていました。
大名は下記の2種類覚えておきましょう。
安土桃山時代は1573年~1603年までを指します。足利義昭の京都追放から徳川幕府の成立までです。
中心人物(勢力)
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康
キーワード
天下統一
流れ
地方のイチ勢力だった織田信長が力をつけ、足利義昭を立てて京都に入る。これにより、織田信長が全国の大名に命令し、命令に従わない大名を討伐する大義名分を得る。
鉄砲は弓矢にくらべて殺傷能力が高いため1つ1つの戦争の決着が早くなり、織田信長が急速に勢力を広げるようになる。
巨大な勢力だった武田家も長篠の戦いで破り、天下統一に向けて順調だったが、本能寺の変で明智光秀に討たれる。
その後の実権を握った豊臣秀吉が1590年に天下を統一し、太閤検地や刀狩り、キリスト教の制限によって武士の支配体制を強めていく。明に攻め入るために朝鮮半島へ2回攻撃をしかけるが失敗する(文禄の役、慶長の役)。
秀吉の死後は徳川家康が関ケ原の戦いで石田三成を破り、天下の実権を握る。
江戸時代は1603年~1868年までを指します。徳川幕府成立から大政奉還までです。
※関連記事:江戸時代の年表とくわしい解説
中心人物(勢力)
徳川幕府
キーワード
武家諸法度、(政治)改革、列強
流れ
徳川幕府ができてしばらくの間はまだまだぜいじゃくな支配状況だった。統治体制を強固にするため、幕府は武家諸法度や参勤交代で大名の統制をはかり、禁中並公家諸法度で朝廷の統制をはかった。
島原の乱以降は大きな戦乱が起こらず、徳川幕府の支配体制は安定するようになった。
ただ、幕府は歳出と歳入のバランスが悪く、毎年赤字になるか、飢饉や災害のときには巨額の赤字を抱えるようになっていく。
財政再建のために享保の改革・寛政の改革・天保の改革が行われるが目立った成果を得られない。
海外ではフランス革命などで人民が力をつけ、産業革命で工業力が大きく伸びていく。それによってヨーロッパ諸国の軍事力が強大化。
軍事力を背景に、外国のスキにつけいって商売をして大儲けする手法が確立される。
それを嫌った清国はアヘン戦争でイギリスに敗れる。
清国敗北のニュースに驚いた幕府は、1854年に日米和親条約を結んで開国。各国と貿易協定(通商条約)を結ばされて不利な条件で貿易を行う。
日本国内で急激な物価高が進み、外国人に慣れていない日本人は生麦事件など外国人に対する殺傷事件をたびたび起こす。
外国人への反発が幕府への反発へと変わり、薩長同盟など幕府討伐の準備が進む。
将軍・徳川慶喜は政権を朝廷に返上するが(大政奉還)、戊辰戦争で旧幕府側の勢力は敗北する。
明治時代は1868年~1912年までを指します。
中心人物(勢力)
明治政府
キーワード
不平等条約改正、日清戦争、日露戦争
流れ
列強(ヨーロッパ諸国とアメリカ)の政治体制や考え方を取り入れて不平等条約を改正し、工業化を進めて軍事力を増強したい明治政府。そのために必要な憲法を1889年に発布して議会を発足させ、人材育成のために学校令を公布する。
その結果、1894年に領事裁判権の撤廃に成功する。
ヨーロッパからの進出をはばむために朝鮮半島を自分のものにしたいと考え、日朝修好条規(1876年)、日清戦争(1894年)と徐々に進出していく。
ロシアは日本を抑えこもうとして三国干渉をしてきます(1895年)。ロシアへの反発が日本国内で強まります。
ロシアとの戦争にそなえて工業力の増強のために八幡製鉄所の操業を開始する(1901年)。そうした日本の動きを利用してロシアを抑えこみたいイギリスは、1902年に日本と同盟を結ぶ(日英同盟)。
1904年、日露戦争が起こる。日本・ロシアともに疲弊し、アメリカ合衆国大統領セオドア・ルーズヴェルトの仲介によりポーツマス条約を結ぶ(1905年)。
ロシアに対して優勢に戦争を進めたことで日本の朝鮮半島への影響力は強まり、日韓併合を行なう(1910年)。
世界のなかで日本の立場は上昇し、1911年には関税自主権の回復に成功する。
大正時代は1912年~1926年までを指します。
中心人物(勢力)
内閣、国民
キーワード
第一次世界大戦、大正デモクラシー
流れ
日露戦争後、ロシア国内は混乱し、1914年にヨーロッパでは第一次世界大戦が起こる。イギリスなどヨーロッパ諸国はアジアに関わる余裕がなくなる。
この過程で列強の脅威から逃れた日本は、韓国併合につづいて中国へ二十一カ条の要求をつきつける。日本のこうした動きに朝鮮半島や中国国内で強く反発して抵抗運動が起こる(1919年)。
ヨーロッパ各国は第一次世界大戦による疲弊から平和へのかじ取りのために国際連盟を設立する。同時に、軍事大国化しつつある日本を抑えるためワシントン会議で軍縮を決定する。
日本国内では国政に参加する意識が高まり、普通選挙法が制定される。
昭和時代は1926年~1989年までを指します。
中心人物(勢力)
アメリカ、ソ連、国際連合
キーワード
国家総動員法、第二次世界大戦、太平洋戦争、冷戦
流れ
日中戦争で苦戦している日本は国家総動員法を発令して、国力をあげて日中戦争に臨む。大きな戦果をあげられないまま国力が疲弊し、燃料確保の目的もあって太平洋戦争へと突入する。
ミッドウェー海戦の大敗で軍事力を大きく失った日本は1945年、ポツダム宣言を受け入れて太平洋戦争に敗北する。国の建て直しのため、GHQの指導のもと日本国憲法を公布する(1946年)。
世界でも、第二次世界大戦を止められなかった反省から、抑止力の強い国際連合が発足する(1945年)。
世界人権宣言が採択され、強者だけで回す世界から全員参加の世界への方針を転換していく。
同時にアメリカとソ連という2強の対立が激しくなり、戦争によらない対立構造(冷戦)が定着する。自分の味方を増やすためアメリと日本は日米安全保障条約を結び(1951年)、沖縄も返還され(1972年)、有事の協力体制を取る。
1962年のキューバ危機で核戦争の脅威が現実となり、危機感を感じた米ソはマルタ会談で冷戦の終結、東西ドイツの統一(ベルリンの壁崩壊)を決める。
1964年の東京オリンピック以降、日本は経済が回復する。急速な工場化のために公害が起きと、公害対策基本法を成立させる。
平成時代は1989年~2019年までを指します。
中心人物(勢力)
アメリカ、国際連合、EU
キーワード
紛争、PKO
流れ
ソ連が解体し、アメリカが「世界の警察」として世界各地の紛争に手を出し、湾岸戦争(1991年)やイラク戦争(2003年)などを起こす。
戦争・紛争地域での復興が周辺諸国にとっても大きな課題となり、日本もPKO活動を合法化する。
ヨーロッパの国力は第二次世界大戦後もアメリカには及ばず、EUを発足させて連合で存在感を高める方針を取る(1993年)。
日本は2つの大きな地震(阪神大震災・東日本大震災)を経験し、地震からの復興策やボランティアの意義について評価が進んでいる。
高校入試の歴史は満遍なくどの時代も出題されます。
なかでも特に出やすい時代やテーマをまとめて紹介します。
都道府県によって出題傾向は異なりますが、古代(特に奈良時代・平安時代)が出題されやすいです。
律令制度が整理され、中国(唐)や朝鮮半島からの文化の輸入が減って国内文化が発展していく時代です。
天皇と有力豪族(藤原氏・吉備真備など)をセットで覚えておきましょう。
高校入試社会では、特定のテーマで切り取った地理・歴史・公民の融合問題がよく出ます。
時代別の食生活や地域ごとの著名人の問題のように、特定分野に限定されないテーマが出やすいです。
例えば大阪府にある仁徳天皇陵は5世紀の古墳時代につくられたとされています。現代では世界遺産です。
ここから古墳の形、天皇や豪族どうしによる政権争い、大阪つながりで阪神工業地帯の特徴、ユネスコなど、地理・歴史・公民すべての分野にわたる問題をつくることができます。
用語や人名が出てきたら、その関連知識も一緒に覚えるようにしておきましょう。
また、記述対策をしておくと地形や用語、人名などの関連性を理解しやすくなります。
※関連記事:高校入試の社会によく出る記述問題
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歴史の流れを解説している参考書はいくつかあります
など、さまざまあります。解説している内容はどれもそれほど変わりません。
1番のポイントは「読んで(見て)、自分が分かりやすいかどうか」です。
こちらで紹介した2冊も、どちらか1冊が手元にあれば十分です。
上記のように使い分けると便利です。
高校受験生にとって、歴史の流れを知っておくことは志望校合格に向けて非常に大切です。
その理由を3つお伝えします。
まず1つ目は、「歴史の流れが入試社会で必ず問われるから」です。
高校入試の問題は、かつてのように「覚えているかどうかを聞く問題」から「覚えていることを使って考えられるかを聞く問題」へと傾向が変わっています。
覚えているだけの知識ではなかなか点が取りづらく、知識を使えるようになっていないといけません。
といった歴史の流れを知っておけば、知識を使えるようになります。
ただし、細かい知識をきちんと暗記していないと点が取れないので、人名や用語を1つももらさず覚えるようにしましょう。
※関連記事:【高校受験】社会でよく出る一問一答形式の問題(地理・歴史・公民)
2つ目の理由は、「記述問題で得点しやすくなるから」です。
最近の高校入試は記述問題が多くなっています。記述問題で問われる内容は前項でお伝えした2項目と同じで、下記のとおりです。
記述問題はある程度暗記で解けますが、丸暗記だとややこしくなってしまい、記述しないといけないポイントを思い出せなくなる恐れがあります。
ですが、歴史の流れを把握しておけば記述内容の暗記も、暗記した内容の想起もしやすくなります。
※関連記事:高校受験によく出る社会の記述問題(地理・歴史・公民)
3つ目の理由は「暗記しやすくなるから」です。
歴史や受験勉強に限りませんが、「分からない内容を覚えるのは大変」ですが、「分かっている内容を覚えるのは簡単」です。
例えば、プロ棋士は対戦中の指し手をすべて暗記していると言われています。私のようなズブの素人が指し手を覚えるのは絶望的ですが、プロ棋士は将棋にくわしいので流れのなかですべて覚えられます。
歴史も同じで、流れが分かっていれば覚えるのはそれほど難しくなくなります。
歴史が苦手な人ほど流れを把握するようにすると、人名や出来事などの暗記がスムーズにできるようになります。
1人で勉強していると、下記のようなことがあります。
こういうときの対策方法を3つお伝えします。
多くの中学生は分野ごとで得意・不得意が分かれます。
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※関連記事:塾はいつから通う?費用は?
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※関連記事:プロ家庭教師と学生家庭教師の違い
※関連記事:おすすめのオンライン家庭教師と人気講師の授業を受けられる裏技
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【英語】
高校受験英語を得意にする勉強方法
不定詞3用法の見分け方
前置詞の覚え方
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高校受験によく出る英熟語・連語の一覧:例文付き
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高校受験数学の勉強方法と学習計画
平面図形・空間図形の問題の解き方
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高校入試によく出る数学の文章問題
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【中学古文】頻出古語84・歴史的仮名遣い・月の名称の一覧と問題
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高校受験によく出る理科の記述問題(生物・地学・物理・化学)
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